楠町のまつり

南楠鯨船練り行事(南楠鯨船保存会)

場所  南御見束神社(みなみごみづかじんじゃ)
日時  毎年10月の体育の日の前日と前々日の2日間

 文献によると、鯨船祭りのルーツは江戸時代の末期までさかのぼります。古くから伊勢湾沿いでは鯨漁が盛んで、漁師たちが豊漁を願って始まったといわれています。
かつては、青年団の若者が中心でしたが、昭和37年保存会が組織されてからは、いろいろな年齢層の住民が参加するようになり、平成7年からは姫鯨として女性も参加するようになりました。
 祭りの当日、「エーンヤコラコラジャーイ、ヤーサヤッサイネー」と男たちの威勢のいい掛け声が響き渡ります。いよいよ鯨船練り行事の始まりです。
真紅の胴に金箔の細工が鮮やかな船の名前は「龍神丸(りゅうじんまる)」。この豪華な鯨船がまるで荒波をかきわけ、鯨を追い求めて海へと繰り出すかのように、南五味塚地区を練り進みます。前方には、巨体をうねらす数頭の鯨、それを船の上から踊り子がモリで狙うのです。
この祭りのクライマックスは2日目の「入り船」。日が暮れるころ、南御見束神社は見物客でひしめき合います。境内に入ると、鯨船の練りはいっそう激しくなり、熱気と興奮が絶頂へと上がりつめ、歓声の高まりの中で幕を閉じる勇壮な祭りです。




湯の花神事(本郷楠村神社氏子)

場所  本郷楠村神社(ほんごうくすむらじんじゃ)
日時  春秋2回(春:3月第3土、日曜日 秋:体育の日)

 本郷地区の楠村神社では、春と秋の2回の大祭時に「湯の花神事」が行われます。
神事に用いる大釜は直径1mもある真鍮製で天明4年と銘せられており、長い歴史を感じさせられます。
拝殿前を清めてから釜を据え湯を沸かし、神主が御幣で湯をかき回してから御幣を上げると、たぎり立つ湯が湯の花となって飛び散り、湯煙を上げる事が「湯の花神事」と言われる由縁であります。
立ち上がる湯煙の模様によって五穀豊穣の吉凶が占われ、その後に笹で湯をかき回し、取り巻く氏子の人々にふりかけます。お湯は神主が供物として神前に奉てんし神事が終わります。
平成8年までは獅子舞も同様に奉納されていましたが、現在は後継者が途絶えてしまった事により休止となっているため、湯の花神事だけが単独で奉納されています。


inserted by FC2 system